ヤマダオートのホームページをリニューアル中に、車観察モニタリング1のとある記事に目が留まりました。その記事によると、また、ホームページに作業の続きを・・・と書いており、日付を見ると2016年ではありませんか!これはいかんと、あわてて続きを書くことになりました。
2016年、当時にした作業内容の説明もしていませんでしたので、まずはそこから・・・
こちらの写真は、カムギアの写真です。中心部分の素材は鉄ですが、ギア廻りの部分(木のように見える部分)はベークライト(世界で最初の合成樹脂だそうです)という素材でできており、どうにかして接着して一つの部品になっています。しかし、長年の使用で、鉄とベークライトが分離して位置がずれてしまい、エンジンの調子が悪くなっていました。
そのカムギアを修理する作業をヤマダオートで行い、修理完了後、車をお客様にお引渡ししたものの、帰り道でオーバーヒートし再入庫、という流れでした。
さてさて、ようやく、エンジンオーバーホールの続きです!
何とか部品が手に入る事が分かり一安心するもつかの間、なぜオーバーヒートしたのか原因を調べなければなりません。特に、原因が見つからないままオーバーホール作業も並行して進めます。
コンロッドのベアリングも焼き付いて削れてしまっていました。シリンダーもひっかき傷が出来てしまっていました。どちらも再使用できない状態でした。
クランクシャフトも焼き付き、傷まみれになってしまってました。こちらも再使用できません・・・
カムシャフトは、焼き付きにより、ではなく、長年の使用により、カム山が摩耗し、虫食い状態になっていました。
カム山の高さが、かなり違いますが、分かりますか?
シリンダーブロックやクランクシャフトなど、このクラウンの様々な部品が手に入り、本当に良かったです。
こちらの写真の方が、カム山の違いは分かりやすいですね。
バルブリフターも、ご覧のとおり虫食い状態でしたので、キレイなリフターと交換します。
今回使用する、シリンダーブロックのブラインドプラグを外すと、ご覧のとおり錆まみれでしたので、シリンダーブロックをキレイに清掃しました。
使用するピストンにピストンリングを組み付け、シリンダーヘッドは面研磨し、バルブ摺合せをして組み付けていきます。シリンダーブロックはキレイに清掃後、組み付けていきます。
なんとか、使用できる部品を掻き集めて、RS40のリビルドエンジンが完成です。
このエンジンを車に乗せれば作業完了です。
とは、もちろんならず・・・
そうです。オーバーヒートの原因がまだ特定できていないのです。
とりあえず、エンジンの慣らし運転もかねて、エンジンをかけます。すると・・・
みるみる水温が上がっていき、オーバーヒートを起こしそうになります。
どうも原因は、ラジエーターのようです。見た目では分かりませんが、水路が詰まり、冷却能力が下がっているようでした。ラジエーターのオーバーホールをして、再点検します。
水温の上昇もバッチリ収まり、無事、完成しました。それにしても、ヤマダオートにご来店時にはオーバーヒートせず、車をお引渡し後オーバーヒートするとは、ちょっと神様、タイミングが悪すぎやしませんか・・・
ラジエーターがそんなタイミングで詰まってしまったのは事実なので仕方ないのですが、何とも言えない気持ちになりました。
お客様に原因をご説明して、修理完了のご連絡をすると、「直りましたかっ!!」と、お喜び頂け、ヤマダオートも嬉しい気持ちを頂きました。車検の時期も近かったので、車検整備もして、きっちり点検後、車検を受けてお客様にお引渡しさせて頂きました。
この度は、ヤマダオートをご利用頂きありがとうございました。また、お気軽にメンテナンスなどでもご利用下さい。お客様のご利用をスタッフ一同心よりお待ちしています。
数年越しに、ブログを完成する事になってしまいましたが・・・
もちろん、こちらのクラウンRS40は、現役で、現在もヤマダオートにてメンテナンスさせて頂いてますのでご安心下さい。
ヤマダオートにご来店時、このクラウンを見る事ができた方は、いい事あるかもしれませんね!
では、今回はこの辺で・・・