ヤマダオートの休日、某月某日、晴れ渡る青い空が広がる、とある日、RX-7(FC3S)を思いっきり走らせるために、走る喜びを抑えきれぬまま、久々のサーキットに行って参りました・・・
喜びが抑えきれない写真に見えますか?早起きをして準備をし、サーキット場に到着すると、ワクワクしてたまらない気持ちになります。思いっきり楽しんで、今日も楽しかったと、スッキリした気持ちで終わる、その少し前の時間に・・・
アクセル全開で気持ち良くストレートをフル加速中、エンジンの辺りから、今まで聞いた事の無い、「カキーーンッ!!」という音が一瞬聞こえました。野球場でなら間違いなく満塁ホームランレベルの快音でした(知りませんが・・・)。
そして、車のエンジンがそのまま止まってしまいました。あたふたして、セルを回しても、再度かかる気配がなく・・・
さっと、血の気が引きました・・・
いや~な予感がしたのです。
とりあえず、ピットまで牽引してもらい(他の走行車両の方には、貴重な走行時間を少し削ってしまいご迷惑をおかけしました。すみませんでした。)、恐る恐る調べてみると・・・
嫌な予感は的中するものですね・・・
エンジンブローしているみたいでした。
上記の写真は、エンジンブローしたセブン(車の名前です。RX-7の名前から、愛称でそう呼ばれているだけで、私が車を愛するがゆえに名前を付けて呼んでいる、気持ち悪い人間では決してありません)を悲しい気持ちでヤマダオートまで運ぶ途中にとった写真です。哀愁漂う写真コンテスト上位入賞間違いなしです!
と、ながーい前置きはこのぐらいにして、今回の本題は、ロータリーエンジンのオーバーホールです。
まずはエンジンを降ろす所から始まります。
エンジンの廻りについている補機類も一緒に降ろしてしまいます。
ロータリーエンジンは、他のエンジンに比べ小さく軽量で高出力と、とても魅力的なエンジンですが、補機類が付いていると特に小さいエンジンとは分かりません。
補機類を取り外しエンジン単体にしていきます。
余談ですが、サーキットで酷使したクラッチカバーです。熱によるクラックもなくまだまだ使えそうです。
ロータリーエンジン単体の写真がこちらです。ライターを置いてエンジンの小ささを伝えようとしています・・・
いよいよここから、エンジンを分解していきます。ロータリーエンジンは、他のエンジンと比べすごく特殊なエンジンで、バルブがありません。と言う事は、シリンダーヘッドもありません。そのため、部品点数が少なく(昭和の終わりに今流行のエコを取り入れてますね!)、構造がシンプルで簡単と言われています。
しか~し、この構造を開発した設計者の頭脳は、とても複雑怪奇に違いありません。本当にすごい事を考えるなあと最初知った時は驚愕しました。
まずは、五段のサンドイッチみたいになっている一番上のハウジングを外します。すると、焼きおにぎりの様なローターが、ローターハウジングに包まれて見えます。このローターを回転させることが、車を動かす原動力になります。
また、ローターがローターハウジングの中で回転しながら、混合気の吸入→圧縮→燃焼→排気、を全て行います。
この工程をロータリーエンジン以外のエンジンで行う場合、シリンダーブロックやピストン(ロータリーエンジンでいう、ローターやハウジング)以外に、バルブ、バルブスプリング、カムシャフト、タイミングチェーン、ギア、シリンダーヘッドなどの様々な数多くの部品が必要となるのですが、それらの部品を必要としない点もロータリーエンジンが軽量でコンパクトなエンジンと言われるゆえんです。
簡単に言うと、とーっても素敵なエンジンなんです!!
五段のサンドイッチを一段ずつ分解し、ローターを取外し点検すると、写真の通り、明らかなひっかき傷がローターとハウジング両方に確認出来ます。
エンジンに負担をかけ過ぎた代償です・・・
涙が止まりません・・・。
気を取り直して作業を続けます・・・
ロータリーエンジンは、ピストンリングの代わりに、アペックスシール、コーナーシール、サイドシールという3点の部品で、ピストンリングに代って燃焼室の密閉をしています。
オーバーホールする際は最低でもこのシール類は交換するのですが、ご覧のとおり今回はローターもハウジングも再使用できません。
平常心で、さらっと次の点検へいきます・・・
こちらが、五段のハウジングを分解した写真と、ハウジングの中から取り外したローターにエキセントリックシャフトです。
噛まずに言えますか?エキセントリックシャフト!意味は風変わりなとか、中心がずれたとかみたいですね。
まさに名の通りですね!点検の結果、今回はエキセントリックシャフト以外はすべて交換となりました。(出来るだけ平常心を保ち、折れてしまいそうな心にカツを入れ、さらっと言ってます・・・) つまり、ほぼ新品のエンジンになります。
でも新品のショートエンジン(組み立てられたEg)を買うより安いんですよ!
エキセントリックシャフトのベアリング(メタル)も、かなりくたびれていましたので交換します。こちらが、新品の美しい、焼きあがる前のおにぎり(ローター)です。
サイドシールとコーナーシールのクリアランスを適正値に削り調整します。削り方がミソなんです。とても大切です。
すべてのサイドシール12本をきちんと調整しローターに組付けていきます。
五段のハウジングを順番に重ねていきます。
この時、おいしいサンドイッチ(in おにぎり)が出来るよう、心を込めて組んでいくのがとても大切だと信じて疑っていません!
組み上がったエンジンを車に乗せて、最初にエンジンをかける瞬間はドキドキしますね。
その後慣らし運転をして、ロータリー専用のコンプレッションテスターで圧縮圧力を測定し、にんまりします。
また、サーキットに行って思いっきりセブンちゃんを走らせてあげたい!!と鼻息荒く過ごしている今日この頃です。
今回は、ロータリーエンジンのオーバーホールのご紹介をさせて頂きました。ヤマダオートでは、ロータリーエンジンのオーバーホールも承っています。ロータリーエンジンのコンプレッション測定だけでもお気軽にお越し下さい。
お客様のご要望に合わせて、様々な自動車修理をさせて頂きます。車の事なら何でもお気軽にご利用下さい。スタッフ一同、お客様のご利用を心よりお待ちしています。
今回はこの辺で・・・