今回は、イスズ自動車のトラックの、エンジンオーバーホール修理作業のご紹介です。通称ウォーターハンマーと呼ばれる現象により、エンジンがかからなくなってしまいました。ヤマダオートにてトラックを引き取り、まずはエンジンを車から取り外すのですが・・・
お気づきになられましたか?
ご覧のとおり、このトラックはWキャブ仕様で、通常のトラックのようには行きません。エンジンを降ろすためには、まずキャビンを車から取り外すと言う作業が待ち受けていました。恐るべしWキャブ仕様です。
エンジン脱着後、エンジンを分解していきます。分解し、各部を点検した結果、シリンダーブロックを交換せず、何とか加工して再使用できるのと、クランクシャフトも再使用できることを確認し、オーバーホール作業を進めて行きます。
シリンダーブロックとクランクシャフト、これらの部品が再使用できないと判断した場合、部品の価格がとても高額であるため、中古のエンジンへの載せ替え作業となっていたと思います。
これが、ウォーターハンマーの衝撃です。エンジンが、本来は空気を吸わないといけないのに、大量の水を吸ってしまい、そのまま燃焼室(シリンダー)に入ると、空気のように水は圧縮されないため、逃げ場を失った力が、弱い部分に集中的にかかり、結果、今回の場合はコンロッドが曲がり、ピストンが割れてしまったのです。そして、エンジンが止まってしまいました。
エンジンに異常が起きた後、無理をせず、そのままの状態で留めておいたことも、エンジンをオーバーホールして再使用出来る要因になったのではないかと思います。
シリンダーブロックを加工して、出来上がったのがこちらです。
1,2,4番シリンダーはホーニング加工をして再使用する事にしました。3番のシリンダーはシリンダーブロックを加工してライナーを圧入し、シリンダーを再制作して使用する事にしました。 3番のピストンやコンロッドなどは新品を使用して、エンジンを組んでいきます。
シリンダーヘッドは損傷もなく、再使用可能でしたので、キレイに清掃して、バルブ摺合せをして組んでいきます。
シリンダーブロックの上に、シリンダーヘッドを乗せて、タペット調整などのエンジン調整をして、補機類を付ければ、リビルドエンジンの完成です。
これを、車に乗せれば完成です。
おっと、その後、Wキャビンを取付けるのを忘れないようにしなければ・・・
もうひと手間かければ、完成です。
今回は、ウォーターハンマーにより、損傷したエンジンのオーバーホールのご紹介でした。ヤマダオートは車に関する様々な修理を、最善の方法でご提案させて頂きます。車の事でお困りの際は、ぜひ一度ヤマダオートにお問い合わせください。お客様のご利用を心よりお待ちしています。
では、今回はこの辺で・・・